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日本酒・清酒のラベル表示について

清酒(日本酒)のラベル表示に関しては様々な法律や取決めがあります。ラベルに正しく記載していないと所轄官庁の国税局から指導されることとなります。

                 

                                        ※清酒ラベル、日本酒ラベル表示例

(1)酒類の種類(分類) 清酒(日本酒)とは

酒税法における酒類とは、アルコール分1度以上の飲料(溶かしてアルコール分1度以上の飲料とすることができる粉末状のものを含む。)をいいます。ただし、アルコール事業法の適用を受けるアルコール分90度以上のものは酒類には含まれません。
 酒税法では、課税上の必要性から、酒類をその製法等に着目して、発泡性酒類、醸造酒類、蒸留酒類及び混成酒類の4種類に分類し、その分類ごとに異なる税率を適用することを基本としています。

この醸造酒類の内、米、米こうじ、水を原料として発酵させてこしたもの(アルコール分が22度未満のもの)が清酒または日本酒と定義されます。
 その表示の大きさやフォントには容器の容量に応じて下記の決まりがあります。

表示方法清酒日本酒 
容量文字の大きさ文字の大きさ 
3.6L超42ポイント26ポイント 
1.8L超~3.6L以下26ポイント 22ポイント 
1.0L超~1.8L以下 22ポイント 16ポイント 
360ml超~1.0L以下 16ポイント 14ポイント 
360ml以下 14ポイント 10.5ポイント 

※フォントは「楷書(かい書)」又は「ゴシック体」
 

(2)特定名称

特定名称とは清酒の製造方法や原材料による区分であり、下記のように分類される。

特定名称 使用原料 精米歩合こうじ米 使用割合 
吟醸酒 米、米こうじ、醸造アルコール 60%以下 15%以上
大吟醸 米、米こうじ、醸造アルコール  50%以下  15%以上
純米酒米、米こうじ   15%以上 
純米吟醸酒 米、米こうじ   60%以下  15%以上 
純米大吟醸酒 米、米こうじ   50%以下   15%以上
特別純米酒 米、米こうじ 60%以下または特別な醸造方法  15%以上
本醸造 米、米こうじ、醸造アルコール 70%以下  15%以上
特別本醸造 米、米こうじ、醸造アルコール 60%以下または特別な醸造方法  15%以上

(3) 必要記載事項の表示

清酒には、次の事項を、原則として8ポイントの活字以上の大きさの日本文字で表示することになっています。

 

 

原材料名

 なお、特定名称を表示する清酒については、原材料名の表示の近接する場所に精米歩合を併せて表示します。
 例えば、本醸造酒であれば次のように記載します。
 原材料名 米、米こうじ、醸造アルコール
 精米歩合 68%

 

製造時期

 次のいずれかの方法で記載します。

製造年月 平成15年10月製造年月 15.10
製造年月 2003.10製造年月 03.10

なお、保税地域から引き取る清酒で製造時期が不明なものについては、製造時期に代えて輸入年月を「輸入年月」の文字の後に表示してもよいことになっています。
 また、容器の容量が300ml以下の場合には、「年月」の文字を省略してもよいことになっています。
・保存又は飲用上の注意事項
 生酒のように製成後一切加熱処理をしないで出荷する清酒には、保存若しくは飲用上の注意事項を記載します。

 

原産国名

 輸入品の場合に記載します。

 

外国産清酒を使用したものの表示

 なお、使用割合については、10%の幅をもって記載してもよいことになっています。
以上のほか、次の事項も必ず表示するよう清酒製造者に表示義務が課されています。   
 ・製造者の氏名又は名称
 ・製造場の所在地(記号で表示してもよいことになっています。)
 ・容器の容量
 ・アルコール分
   1度単位あるいは0.5度単位でアラビア数字で明瞭に表示すること
 ・未成年者の飲酒防止に関する事項
  「お酒は20歳を過ぎてから」「未成年者の飲酒は法律で禁止されています」等

 

(4) 任意記載事項の表示

次に掲げる事項は、それぞれの要件に該当する場合に表示することができます。

 

【原料米の品種名】

 表示しようとする原料米の使用割合が50%を超えている場合に、使用割合と併せて、例えば「山田錦100%」と表示できます。

【清酒の産地名】

 その清酒の全部がその産地で醸造されたものである場合に表示できます。したがって、産地が異なるものをブレンドした清酒には産地名を表示できません。

【貯蔵年数】

 1年以上貯蔵した清酒に、1年未満の端数を切り捨てた年数を表示できます。

【原酒】

 製成後、水を加えてアルコール分などを調整しない清酒に表示できます。
 なお、仕込みごとに若干異なるアルコール分を調整するため、アルコール分1%未満の範囲内で加水調整することは、差し支えないことになっています。

【生酒】

 製成後、一切加熱処理をしない清酒に表示できます。

【生貯蔵酒】

 製成後、加熱処理をしないで貯蔵し、出荷の際に加熱処理した清酒に表示できます。

【生一本】

 ひとつの製造場だけで醸造した純米酒に表示できます。

【樽酒】

 木製の樽で貯蔵し、木香のついた清酒に表示できます。
 なお、販売する時点で、木製の容器に収容されているかは問いません。

 

【「極上」、「優良」、「高級」等品質が優れている印象を与える用語】

 自社に同一の種別又は銘柄の清酒が複数ある場合に、品質が優れているものに表示できます(使用原材料等から客観的に説明できる場合に限ります) 
なお、これらの用語は、自社の清酒のランク付けとして使用できるもので、他社の清酒と比較するために使用することはできません。

 

【受賞の記述】

 国、地方公共団体等公的機関から受賞した場合に、その清酒に表示できます。

 

【飲みすぎや妊産婦の飲酒を注意喚起する文言など】

 上記ラベル見本参照。
 

(5) 表示禁止事項

次に掲げる事項は、ラベル・シール又は化粧箱等のパッケージに表示することを禁止されています。

 

・清酒の製法、品質等が業界において「最高」、「第一」、「代表」等最上級を意味する用語
・官公庁御用達又はこれに類似する用語
・特定名称酒以外の清酒について特定名称に類似する用語

 

 ただし、特定名称に類似する用語の表示の近接する場所に、原則として8ポイントの活字以上の大きさで、
 特定名称の清酒に該当しないことが明確に分かる説明表示がされている場合には、表示することとして差し支
 えありません。
 なお、この説明表示は、消費者の商品選択に資するために設けられたものですので、8ポイントの活字以上の大きさで表示してあればそれでよいということではなく、特定名称に類似する用語の表示とバランスのとれた大きさの文字とするなど、消費者の方が特定名称の清酒に該当しないと明確に分かる大きさの文字とする必要があります。

 
 以上が清酒のラベル・シールの表示に関する概略です。日本酒・清酒ラベルの表示に関するお問い合わせは最寄の国税局や税務署の酒税担当部署へ問い合わせをお願いいたします。

焼酎のラベル・シールの表示について

焼酎ラベルの印刷も行っておりますが、清酒ラベルの表示同様に様々なルールがございます。尚このサイトで解説するラベル表示の焼酎とは単式蒸留焼酎(しょうちゅう)のことで連続式蒸留焼酎及び甲乙混和焼酎は除外しております。

 

           ※焼酎ラベルの表示例

(1)酒類の分類

 アルコール含有物を連続式蒸留機以外により蒸留したものが単式蒸留焼酎(しょうちゅう)であるがラベルに表示する場合は次の何れかとなる。
・単式蒸留焼酎(しょうちゅう)
・焼酎乙類
・ホワイトリカー②
・本格焼酎
 通常は「本格焼酎」とラベルに記載される場合が最も多い。文字の大きさは容量に応じて下記のように定められています。

容量 文字の大きさ
 3.6L超 26ポイント
 1.8L超~3.6L以下  16ポイント
 1.0L超~1.8L以下 14ポイント
 360ml超~1.0L以下 10.5ポイント
 360ml以下 7.5ポイント

ただし、木製の容器に貯蔵した場合は

容量 文字の大きさ
 3.6L超 34ポイント
 1.8L超~3.6L以下  31ポイント
 1.0L超~1.8L以下 28ポイント
 360ml超~1.0L以下 26ポイント
 360ml以下 16ポイント

 1文字当たりが、上表の大きさ又は主たる商標を表示したラベル面積の18/1,000(品目名を表示した部分の総面積)のいずれか大きい方の大きさ以上となっている必要があります。
ただし、主たる商標を表示したラベル内に表示された「焼酎」又は「しょうちゅう」の文字が上表に定める大きさ(1文字)又は主たる商標を表示したラベル面積の9/1,000の大きさ(品目を表示した部分の総面積)のいずれか大きい方の大きさ以上で、明りょうに表示されている場合に限り、一番上の表通りで大丈夫です。

(2)冠表示

いも焼酎や米焼酎など特定の原材料の使用を強調する表示については、その原料が使用原料の50%以上であることが必要です。使用原料の内最も多い原料であることが基本となります。

しかし下記の国税庁長官が指定する物品【あしたば、あずき、あまちゃづる、アロエ、ウーロン茶、梅の種、えのきたけ、おたねにんじん、かぼちゃ、牛乳、ぎんなん、くず粉、くまざさ、くり、グリーンピース、こならの実、ごま、こんぶ、サフラン、サボテン、しいたけ、しそ、大根、脱脂粉乳、たまねぎ、つのまた、つるつる、とちのきの実、トマト、なつめやしの実、にんじん、ねぎ、のり、ピーマン、ひしの実、ひまわりの種、ふきのとう、べにばな、ホエイパウダー、ほていあおい、またたび、抹茶、まてばしいの実、ゆりね、よもぎ、落花生、緑茶、れんこん、わかめ】の原料を強調した冠表示をしたい場合は使用比率を標記すれば、冠表示することができます。

(3)必要記載事項

・アルコール度数(原則8ポイント以上)
税率適用区分を同じくする1度の範囲内でアラビア数字で表示します。
・原材料名(原則8ポイント以上)
使用割合の大きいものから漏れなく順に表示します。

(4)製造者・製造場の住所(原則8ポイント以上)

「かい書体」又は「ゴシック体」で明りょうに表示します。

(5)地理的表示

壱岐焼酎の産地である「壱岐」、球磨焼酎の産地である「球磨」、琉球泡盛の産地である「琉球」及び薩摩焼酎の産地である「薩摩」の表示は、以下の場合には使用できません。
・当該産地以外の地域を産地とする単式蒸留しょうちゅう
・当該産地について定められた基準で製造された単式蒸留しょうちゅう以外

(6)その他表示について

『原酒』
  蒸留後に水、混和物、添加物などを一切加えず、アルコール分が36度以上のものはラベルに表示可。

『長期貯蔵』
  3年間以上貯蔵したものが、ブレンド後の総量の50%以上を占めるものはラベル表示可。
※未成年者飲酒防止に関する表示やアルコール摂取に関する注意喚起の文言に関しては日本酒・清酒のラベル表示についてをご参照ください。
 以上が焼酎のラベル・シールの表示に関する概略です。焼酎ラベルの表示に関するお問い合わせは最寄の国税局や税務署の酒税担当部署へ問い合わせをお願いします。

 

 

注意:
* 本記事は1年以上前に更新された記事ですので、情報が古い可能性があります。
* 表示についての最新情報は関連省庁へご確認ください。

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