文字通り「輪」が回る仕組みの印刷機です。 版を取り付けた円筒状のシリンダー(版胴)が一定方向に回転します。原紙も同じく一定方向だけに進むので、原紙(印刷する紙)は版を取り付けたシリンダー(版胴)の外周と同じ長さ進み続けます。
【イメージ図】
ドラムが高速で回転しながら、一定方向に進む原紙にインキを転写するので短時間に大量の印刷ができることがこの印刷機の最大の特徴です。 一度に多くの印刷が必要とされる「計量ラベル」や「卵ラベル」などのシール印刷に使用されています。
世界初の輪転印刷機は、1846年にアメリカのリチャード・マーチ・ホー氏が制作した、「ホー式輪転機」。1853年には、イギリスの新聞タイムズ(The Times)が商業用として実用化しました。
凹凸を施した樹脂製の薄い板状の版です。印鑑と同じように凸面にインキが着きます。 版は金属製のシリンダー(円筒の版胴)に、1周巻き付けるようにセットします。版の大きさ(長さや幅など)によってシリンダーの径が変わるため、シリンダーとシリンダーを回転させるためのギアの交換が必要です。また、版は色別にも必要です。
原紙はシリンダーをぐるりと1周した後、次の版(シリンダー)へと一方向に送られます。 メリットは短時間で多くの枚数が印刷できること。原紙が一方向のみに進むため、一度に多くの印刷が可能です。
≪機械のイメージ≫
いくつものインキを練るためのローラーが可動し、色別に印刷を施していきます。 図のように、「インキ着けローラー」が「版シリンダー」に密着し、版にインキを着けます。インキが均等に着いた版が原紙(印刷面の紙)に転写されるという仕組みです。
上の写真で説明すると、4か所の白い点線枠部分が各色を印刷する工程のユニット部分です。 インキ壺とインキ練りローラーを合わせて「インキング」と言い、そのインキングと版シリンダーがセットになってひとつ(1色)のユニット状になっています。 版の数(色数)分、転写作業が繰り返されます。最大6色まで印刷が可能です。 当社は、40年の実績からさまざまなシリンダーが各種そろっているため、当社が保有する既存サイズに合う場合は、通常必要とされる初期費用のシリンダー代が不要です。 新規サイズの場合は、シリンダー代と刃型代が必要です。
・大量ロット ・印刷スピードが速い ・印刷しながらスリットができる ・PP貼りができる ・線画やベタ印刷 ・コールド箔押し加工 ・裏面印刷や糊殺し加工
・小ロット ・ピッチの調整ができない ・写真やグラデーションなど繊細な画像 ・細やかなデザインの多色刷り ・インキを吸いやすい紙質(和紙系)
凸版輪転機は、ラベル・シール印刷で最も一般的な印刷機械です。 写真やグラデーションと言った繊細な画像を再現・表現することには限界がありますが、シンプルなデザインで大量ロットなどにおすすめです。 色の表現は、4色フルカラーと特色どちらも可能です。 インキは紫外線が当たることで硬化するUVインキです。1色の工程毎に、UVライトで硬化・乾燥され、次の色に進みます。 PP貼り(ラミネート)やコールド箔加工も可能です。
デザインや用途に合わせた形に切り抜くために「抜き型」(刃型)が必要です。 抜き型には、切り抜くための“刃”がついており、紙製の原紙に適した「フレキシブル刃」とフィルム製の原紙に適した「ゼンマイ刃」の2種類があります。 輪転印刷機では、「フレキシブル刃」を使用します。 刃も版同様にシリンダーに巻き付け、回転しながら切れ目を入れていきます。
当社では、さまざまなサイズの刃型も保有しています。 ご希望のサイズと当社が保有しているサイズが合えば、刃型代が不要でラベル・シールが作成できるのもメリットのひとつです! 特殊な形や当社が保有していないサイズの場合は、新規で刃型を作成する必要がありますので、別途に刃型(抜き型代)が必要となります。
▼シール作成のお悩みについて
https://label-seal-print.com/course_seal/detail14/
▼版と型について
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▼シール印刷 プロが教える素材選びと入稿
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▼製版について
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どのようなこともわかりやすく説明します。