なぜ?茶色が水色に変色してしまったのか?

なぜ茶色が水色に変色してしまうのか。その理由は、印刷に使われるCMYKインクの「耐光性(紫外線に対する耐久性)」の違いにあります。
茶色は一般的に、イエロー(Y)、マゼンタ(M/赤紫)、シアン(C/青)の3色に、ブラック(K)を混ぜ合わせて作られています。しかし、これらのインクは光を受けたときの強さが均一ではありません。
- イエロー(Y)とマゼンタ(M) 紫外線に弱く、比較的早い段階で退色して消えてしまいます。業界ではこれを「赤抜け」「黄抜け」と呼んでいます。
- シアン(C) 耐光性が非常に高く、紫外線を受けても長期間色が残り続けます。
つまり、シールが紫外線に晒され続けると、茶色を構成していたイエローとマゼンタが先に消滅し、最もタフなシアン(水色・青)だけが残ってしまうのです。
その結果、元々茶色だった部分が、まるで水色に変色したかのように見えるわけです。「別の色に変わった」のではなく、「弱い色が消えて強い色が残った」というのが真相です。
要注意!退色を進める「陳列」と「保管」の仕方
日光が当たる場所だけでなく、実はお屋内の店や倉庫の中にも退色の原因は潜んでいます。
陳列時の注意点!蛍光灯からも紫外線は出ている
「室内だから大丈夫」と安心していませんか? 店舗の蛍光灯からも微量の紫外線が出ています。そのため、照明のすぐ近くに商品を陳列したり、光が差し込む窓際に長期間置いておくと、じわじわと「赤抜け・黄抜け」が進行してしまいます。
保管場所の注意点!暗所での保管が基本
使わずにストックしているシールも、無造作に棚に置いたままでは蛍光灯の光を浴びて劣化します。保管する際は、必ず光を遮断できるダンボール箱の中や、光の当たらない冷暗所に置くのが基本です。
シールの保管にあたっては、色の退色だけでなく、粘着の劣化なども防ぐために、高温多湿を避けるよう推奨されています。
再発を防ぐための具体的な対策

屋外や窓際、店頭などで長期に渡り、光が当たる場所で使用するシールやラベル、ステッカーは、発注時に以下の対策を行うことが非常に有効です。
UVカットラミネート(サンカットラミネート)加工を施す
陳列時の変色を防ぐのに最もおすすめなのが、この方法です。表面に紫外線を遮断するフィルムを貼ることで、退色を大幅に遅らせることができます。 ここで重要なのが「UVカット機能があるPET素材」のラミネートを選ぶこと。一般的なPP(ポリプロピレン)ラミネートは透明度が高く、光を通してしまい耐光効果が薄いため、必ず「UVカット機能のあるPETラミネート」を指定しましょう。
耐候性インク(耐光性インク)で印刷する
屋内用の一般的なインクではなく、紫外線に強いインクを選ぶことも重要です。 屋外用の溶剤インク(ソルベント)やUVインク、耐光性を高めた「耐光性インク(耐光インキ)」を使用したシール印刷を選択することで、インクそのものの寿命を延ばすことができます。耐光性インクは通常インクとほぼ同じ価格・見た目で仕上げられる印刷会社も多いため、コストを抑えた対策として非常におすすめです。
当社推奨はどちらも施す!
使用場所にもよりますが、退色が気になる場合は『耐性インク』の使用と『UVカットラミネート加工』の両方を組み合わせるのがおすすめです。
・屋外に貼る場合
素材(原紙)選びも重要です。表面につやがあり、発色が良いことで人気のミラーコート紙(ミラコート紙)などは、紙製なので直ぐに劣化してしまいます。
プラスチック(ポリプロピレン)を主原料にした合成紙 の代表的な「ユポ」は、破れにくく、耐水性もあることから、屋外でも使用できる素材ではありますが、屋外に貼りっぱなしであったり、夏場の炎天下にさらされる時間が長いなど、使用するシーンでは、よりスペックが高い「白PET」などがおすすめです。
※どのような状況や環境でお使いになるか、まずはお気軽にご相談ください。専任スタッフが最適な仕様をご案内いたします。
変色は防げる!
「茶色が水色になる」という驚きの現象は、インクの特性を知っていれば決して不思議なことではありません。
シールの色あせは商品のブランドイメージを損なってしまう厄介なトラブルですが、「耐光性インクの使用」や「UVカットラミネート(PET)の追加」といった事前の仕様選びで、確実に対策することができます。
「うちの商品の陳列環境だと、どの仕様にするのが正解?」と迷われた際は、ぜひお気軽に印刷会社へご相談ください。環境に合わせた最適なシール作りで、美しい色合いを長く保ちましょう!
不安なことなどがございましたらお気軽にお尋ねください。



